2022年2月18日(金)〜2月27日(日)の間、本学西キャンパスで名古屋芸術大学卒業・修了制作展を開催しました。
新型コロナウイルス感染症拡大による非常事態宣言下、さまざまな防疫対策や安全に作品を鑑賞していただくための工夫を施した結果、多くのご来場、アクセスをいただきました。
本特集では、特に優秀だった作品をピックアップ、卒展運営のキーパーソンのコメントと共に、名古屋芸術大学卒業・修了制作展を振り返ります。
芸術学部長/デザイン領域 教授 萩原周
昨年に引き続きコロナ禍での卒業・修了制作展です。昨年、コロナによって社会や情報から少し距離を置き、個々がじっくりと自身の作品に向き合った結果、よく練られた作品になったということをお話ししました。条件としては今年も変わっておらず、やはりそうした作品が目に付いたように感じます。一方で、特別客員教授の手塚貴晴さんをお迎えしたスペースデザインコースの講評会では、「おまえら、壊れ方が足りない」と作品に対するエモーショナルな部分への指摘があったようです。作品に向き会い調和させて落とし込むという丁寧な作りの良さがある半面、冒険から離れ作品をきれいにまとめてしまった側面もあったのではないでしょうか。もっとわかりたい、もっと理解したいと、どんどん沼にはまり込んでいくような経験は、学生時代にぜひ体験して欲しいことのひとつです。作品として少々破綻しているようなところがあっても、教員側は評価できるのではないかと思います。冒険的なレベルに至ってこそ面白いものが始まるのではないでしょうか。そういった意味では、アートクリエイターコースなどうまく学生に力を発揮させているように感じました。