岐阜県池田町・㈱OKB総研・デザイン領域 池田町レンタサイクルモデルコースマップ制作事業 池田町訪問

 岐阜県池田町は、濃尾平野の北西部、西に標高924mの池田山、東には揖斐川が流れる自然豊かな小さな町。歴史的には中山道赤坂宿から谷汲山華厳寺(たにぐみさんけごんじ)へ向かう谷汲巡礼街道が通り、町内にはたくさんの史跡もあります。デザイン領域では、この岐阜県池田町、地域創生のコーディネイト事業を行う㈱OKB総研とコラボレーションし、やはり地域創生加速化プロジェクトで実施されている「池田・揖斐川レンタサイクル」を活用したモデルコースマップ制作を行っています。「池田・揖斐川レンタサイクル」は、池田町が養老鉄道と協力し「養鉄トレクル」として、養老鉄道車内への自転車の持ち込みや移動した先で自転車を返却することのできる仕組みで、このレンタサイクルを活用したコースマップの制作をデザイン領域の学生が行います。
 2021年8月26日(木)、学生らは池田町を訪れ、実際に自転車を借りて事前に調べておいた行ってみたいスポットを確認し、池田町の新たな魅力を探しに出かけました。天気が心配されましたが、長雨が去った好天の中、学生らは4つのチームに分かれ池田町を散策しました。

 チームの内訳は、実際に池田町に住む人たちが日常の生活の中で立ち寄るお店や公園を中心に回るAグループ、谷汲巡礼街道を中心にお寺や城跡、古墳群といった史跡を回るBグループ、旅行で池田町を訪れた人の目線を意識して観光地となりえるスポットやお店を回るCグループ、実際に電車に自転車を乗せてみて町内東側の田園地帯を回るDグループの4チーム。コロナ感染と熱中症に気を付けながら、自転車で散策します。池田町の西側は池田山へ続く風光明媚な場所が多く、道の駅や公園などのスポットは西側に多くなっていますが、上り坂なので自転車ではなかなか大変です。レンタサイクルはすべて電動アシスト付きで、そうでなければとても登れなかったという学生の声も聞かれました。それぞれに巡ったスポットでは、気さくにお話を聞かせていただいた方も多く、学生らは池田町に親しみを感じたり、人との出会いに心を動かされたりしたようでした。

 散策を終え、学生らは池田町役場に集合。会議室をお借りしてミーティングを行いました。巡ってきたスポットの写真をプリントアウトし、コメントを添えてグループごとにイラストマップを作成しました。できあがったマップを簡単に説明してスポットを皆で共有し、今後のモデルコース作りに役立てます。イラストマップの説明では、池田町役場の担当の方々にも聞いてもらい講評していただきました。役場の方からは、いろいろなワークショップを行っているが、わずかな時間でマップが制作できるのはさすが芸大生、とお褒めの言葉がありました。また、普段から観光開発を行っているが新たな目線で見てくれたことが大いに参考になる、神社・仏閣のアピールも考えていきたい、町の東側の河川には着目していなかった、視点が素晴らしい、等々、うれしい言葉があり、コラボレーションの意義を再確認することができました。
 学生らも、自然に満ちた町の魅力と人々との交流に心嬉しく感じたようで、誰もが満足げに帰途につきました。