多治見市の「とうしん学びの丘“エール”」にて開催された「CROSS INTERACTION 2021(陶芸教育機関交流展 2021)」に、本学アートクリエイターコース(工芸コース)が作品を出展しました。この展覧会は、東海地区で陶芸教育を行う8つの学校・研究機関が参加する交流展覧会で、本学からは工芸コースで学ぶ9名が参加しました。本来であれば9月に開催される予定でしたが、新型コロナ禍の状況に合わせ2021年11月6日~8日の開催に変更され、6日(土)に岐阜県現代陶芸美術館 館長 石﨑泰之氏、岐阜県美術館 副館長 正村里美氏をお招きし講評会が行われました。展覧会には総数50以上の作品が展示され、時間的にすべての講評を行うわけにもいかず、各校2名ずつ作品を選んで講評を行いました。それぞれが、作品についてプレゼンテーションを行い、石﨑氏、正村氏がそれぞれ講評を行う型式で行われました。
本学からは、4年生 木原大貴さん「海の宝石」、松岡真矢さん「Wiege」(独語で、揺りかご・ 揺籃の意)、さらにその場で正村氏からのリクエストがあり 3年生 池田考作さん「溶積」の講評が行われました。
木原さんの「海の宝石」は、沈没船とともに沈んだ宝物をイメージした作品、手びねりで作られた楕円体に釉薬を染みこませた毛糸を巻いて制作されています。石﨑氏からは、抽象性は高いものの具体性のある部分が作品の一部にでもあればタイトルと合わせもっと伝わりやすくなる、巻き方のバランスを考えれば作品に動きが出ると思う。正村氏からは、非常に美しい作品だが、ほかの素材でも可能な表現であり陶芸という技法を使って表現できる美しさをもっと探してみて欲しい、と評価をいただきました。
松岡さんの「Wiege」は、手びねりで造形することや、穴を開けたりディテールを作っていく自身が感じている陶芸の楽しさを表現した作品。正村氏からは、作品のサイズや表現からもっとわくわくするような気持ちが出ても良いのでは、優しいけれど移ろうような悶々とものを感じる。石﨑氏からは、完成度が高くて良い作品だと思う、内側のでディテールを楽しんで作っていることもわかるし、表面の手の感じも好ましい、とお褒めの言葉をいただきました。
池田さんの「溶積」は、土への興味がストレートに表された作品で土の粒感や重量感が表現されています。正村氏からは、素材自体が持っている力の美しさと変化に魅了されていることが伝わる、もし今後も土でやっていくのならスタートといえる作品、いろいろな素材を使っていくというのならこういう表現も良いと思う、土との付き合い方を今後もっと考えていって欲しい、とエールをいただきました。
講評会を終えて学生らからは、他の学校の先生方もいてとても緊張した、プレゼンテーションで準備していたことがいえなかった、今後に向けての良い経験になったと、ほっとした様子と同時に今後への展望の声が聞かれました。
講評会のあと、各学校の指導者に自分の作品について感想を求める参加者や、参加者同士が談笑する姿が見られ、和やかな講評会となりました。また、参加者、指導者それぞれが各作品について感想やコメント書き込んだメモを後日それぞれの学校に送られることになっており、作品を見て刺激を受け、それぞれに言葉を交わし作品について考えを深める、意義深い交流展示会となりました。