2021年11月10日、11日の2日間、本学グループの認定こども園 森のくまっこにて、人間発達学部 非常勤講師の荒木まさかずさんによるワークショップ「かたち遊び こどもと共育」の2回目のワークショップが開催されました。前回は、10月に水風船を使い絵の制作を行いましたが、今回の趣向は? 子どもたちは、荒木さんからは具体的な内容を聞かされておらずどんなことが始まるのか、わくわくしながら遊戯室に集まりました。
今回のワークショップを始める前に、前回制作した絵をみんなで鑑賞することから始まりました。ひとりひとりの絵を荒木先生が手に取り、色合いや模様の面白い部分を子どもたちと共有します。子どもたちは、作品の感想を声にだしたり、自分の作品の順番が来ると少し照れたようにしたり、大いに盛り上がりました。同時に子どもたちには、今日も作品の制作をするんだという実感がわいたようで、制作への集中力が高まったように感じました。
鑑賞が済んだところで、今日の制作のテーマ、縄の登場。線の造形とは、縄を使った制作のようです。箱から出てくる長い縄に、子どもたちは大はしゃぎ。綱引きのように引っ張ってさっそく遊びが始まります。縄を跳ねたり潜ったり、まずは身体を使って遊びます。先生にしっぽのように付けた縄をとりっこする鬼ごっこなどひとしきり遊んだところで、今回制作する作品が登場。荒木さんがあらかじめ制作した、紙粘土に縄をスタンプしてかたどったレリーフです。制作の手順はなかなか複雑そうですが、子どもたちに全体の手順は説明せず、ステップごとにやることを説明して進めていきます。
まずは、ベースとなる合板をサンドペーパーで滑らかにし、白く塗ります。合板とサンドペーパーが配られると、見ようみまねで子どもたちは合板を削り始めます。サンドペーパーを使うことなどほとんどないと思われますが、板の端を指でなぞって確かめたり、子どもたちの手つきはなかなかのもの。ヤスリがけが済んだら、白の絵の具で合板の裏表、端まで塗って乾かしておきます。
続いて、ベースの板に盛る紙粘土の準備です。紙粘土をちぎって団子状に丸め、それぞれに色を付けます。パレットに絵の具を用意し、子どもたちは紙粘土の団子に好きな色を付けていきます。絵の具で手を染め、それぞれが紙粘土1パック分を丸め終わったら、白く塗った合板に紙粘土を並べ、板で挟んで上から潰します。この時、子どもたちは板の上に乗り、ぴょんぴょんと飛び跳ねて潰します。子どもの体重がちょうどいいくらいで、紙粘土は厚みを残して潰れ、カラフルなベースができあがります。さらにそのベースの上に、今回のモチーフである縄を載せ、再び板で挟んで縄の型を取ります。ここでも、子どもたちは板の上で飛び跳ね、身体を使っての創作です。最後に、平らな部分にローラーで黒を塗って完成となります。縄の形にカラフルな紙粘土が残り、見事なレリーフができあがりました。
午前の時間をフルに使い、子どもたちは集中して創作を楽しんだ様子でした。子どもたちは、すでに次回が楽しみな様子で、今度はいつ? 何するの? と期待する声が上がっていました。
今後のワークショップは、来年1月に点・線・面の絵画活動を行い、2月に展覧会となります。こども園の先生方からも2月の展覧会に期待を寄せる声が聞かれ、ますますできあがりが楽しみになってきました。