テキスタイルデザインコース、有松・鳴海絞り「張正」とのコラボ商品 デザインを決定

 テキスタイルデザインコースでは、有松・鳴海絞りの張正さんとコラボレーションし、伝統の「豆絞り」を使った作品を制作「有松絞りまつり」にて販売を行います。張正さんの豆絞りB反(染めむらなどちょっとした難点のある二級品)を使い、学生が板締め絞りで模様を加えアップサイクル商品とします。有志6名の学生が有松にてサンプル品を制作しましたが、その中から商品化するデザインを選定しました。制作されたサンプルはひとり10種類。2024年4月9日(火)、60種類の手ぬぐいサンプルを持ち寄り、テキスタイル工房に集まりました。

 有志の学生は、清水咲和さん、鈴木心彩紀さん、中島成美さん、深草穂華さん、水谷茉優さん、山本舞瑠さんの6名(中島さんはこの日お休み)。それぞれ制作した10のサンプルを壁に貼り、デザインを検討しました。サンプルの制作は張正さんにて行い、豆絞りと同じ色合いになるように同じ染料の濃淡2種類を使って制作したもの。色味が合っているだけありベースの豆絞りとよく合い、どれも素晴らしい出来映えです。どれも商品として十分魅力的に思えますが、そこからまずひとり2点を選出します。デザインのユニークさはもちろん、ほかとの兼ね合い、商品化するための再現性などを考慮した上で、学生それぞれのお気に入りや思い入れを聞き選択していきます。
 都合12枚を選び、さらにここから半分の6枚に絞り込み商品とします。12枚を並べて壁に貼り、検討を重ねます。「張正さんの伝統の雪花絞りも入れたいし……」「これとこれはデザインが似てるからどっちかで」「男性にアピールできるのも欲しいし……」と、それぞれに意見を出しながらじっくり選びます。バルク生産(アパレル業界ではサンプルではなく本生産の意)すること、学生が卒業してしまっても後輩が指示書から再現できることも念頭に選びます。最終的は、商品としてのバリエーション、安定して作ることできることを重視しつつ、それぞれの個性や思い入れのあるものが選ばれました。

 プロジェクトの感想を聞くと「家族にサンプルを見せたんですけど、これが一番かわいいっておばあちゃんが言ってくれたデザインが選ばれました」(清水)、「いままでの授業では、板締めじゃないものばかり染めていたんですよ。バルク染色では、ちゃんと柄が出るかドキドキです。一番好きな柄が選ばれてうれしいです」(深草)、「これまで花柄とか作ることが多かったので、ちょっと違うものが選ばれびっくりしてます。評判良くてうれしいです」(山本)、「張正さんで豆絞りのお話を聞いて、かわいいだけじゃなく長い歴史があるんだなとわかりました。自分の柄を加えることで、豆絞りの印象が崩れないようにデザインを考えました」(鈴木)、「畳み方とかいろいろ考えました。選んでもらったデザインも、もっと自分でアレンジして新しいものができないかと考えてます。とても良い経験になりました」(水谷)と選考にも出来映えにも充実した感想が聞かれました。また、なにより学生たちが楽しみながら制作したことが伝わってきました。
 この後、2024年4月末に商品を制作、2024年6月1日、2日の有松絞りまつりでの販売となります。恒例のテキスタイルデザインコース 有松絞り手ぬぐいブランドプロジェクトと併せ、ぜひ有松絞りまつりへお運び下さい。