テキスタイルデザインコースでは、一宮市から依頼を受け尾州産地の魅力をアピールするファッション・アートイベント「BISHU FES.」に参加。関連イベントである「まちなかアート展示」に、一宮モーニングをテーマに作品を制作し、本町通り商店街に展示します。
2024年6月3日(月)、プロジェクトに参加する学生は、キックオフとして一宮市役所を訪れBISHU FES.の概要、さらに一宮モーニング協議会から一宮モーニングについてのお話を伺い、作品の展示場所となる本町商店街を確認。さらに一宮モーニングのリサーチと、作品制作に向けて精力的に活動を開始しました。
プロジェクトには有志の学生7名が参加、いずれも尾州の繊維産業に関心を持つ学生です。はじめに一宮市役所で、産業振興課 鈴木課長、産業振興課 佐藤さんからBISHU FES.とまちなかアート展示についてお伺いしました。「今回の企画は、皆さんの尾州織物を使った作品を展示していただきたいと立ち上げたものです。一宮モーニングをテーマにイメージを膨らませて作品にしていただきたいと思います。良い作品ができるようサポートしていきたいと思います」とお話がありました。
引き続き、一宮商工会議所 企画事業部 西脇豊さんから、一宮モーニング協議会の活動についてお話しいただきました。一宮モーニングは、昭和30年代、織機の音が大きくて店では商談ができなかった機屋さんが喫茶店で商談するようになり、そうした中から生まれてきたサービスである、とモーニングの歴史からはじまりました。現在では、一宮市内に520店舗もの喫茶店があり、休日には朝食代わりに家族でモーニングを食べに喫茶店へ通う文化があるといいます。こうした身近な文化を背景に一宮商工会議所青年部が中心となり一宮モーニング協議会を発足、平成28年に「一宮モーニング」を地域団体商標へ登録して地域の知名度の向上と活性化を目標に活動しています。昨年は「2023年度 知財功労賞 特許庁長官表彰」を受賞するなど、地域ブランディングや観光事業として進められています。一宮モーニング協議会では、毎年、加盟する喫茶店を紹介する「一宮モーニングマップ」を制作、また、モーニングを盛り上げるイベントや異業種との連携、写真コンテストなど、さまざまな活動を行っており、それらの取り組みを紹介していただきました。
学生たちへ作品を作る上で気を付けて欲しいこととして「モーニングというとお得感や、この値段でこれだけのサービス、といった表現になりがちです。ですが、お店もぎりぎりのところでサービスを続けているので、競争や煽るようなことは避けて欲しいです。協議会ではお店のメリットになることを第一に考えています。そうしたところに気を付けて制作をお願いします」とお話がありました。また、一宮モーニング三ヶ条として、「一宮市内のお店であること」「たまご料理が付いていること」「できるだけ一宮産の食材を使うこと」の3項目を説明し、制作のヒントにして下さいと説明しました。
ミーティングの後、学生たちは実際に本町商店街に赴き、展示場所を確認しました。展示場所は、2022年の「いちのみや芸術商店街」でも展示のポイントとなった、アーケード中心部のドーム部分。作品の大きさや、わかりやすいデザインが求められることなど、あらためて作品の基本的な部分を確認しました。
展示場所を確認した後は、リサーチのために一宮モーニングを体験しました。モーニング協議会の西脇さんに、夕方までモーニングを提供しているお店(笑)をご紹介いただき、皆で伺いました。メニューには、パンだけでなくおにぎりやたまごかけご飯、カレーライスまでモーニングのサービスにあり、それだけで大いに盛り上がります。小倉トーストやサンドイッチなどのサービスを楽しみながら、その特徴を理解しました。モーニングサービスは、出てきたときのボリュームや楽しさからか、なぜだか元気の出てくるサービスだと、あらためて気付かされました。
モーニングの楽しさ嬉しさが織物でどう表現されるか、ご期待下さい。