【教育学部】2022年度ハワイ研修 実施しました!
2022.09.30
子ども学科
名古屋芸術大学教育学部子ども学科では、変化の激しい社会や教育現場の中で、主体性をもち、柔軟に対応できる人材を育てるため、各自で立てたテーマに沿って自主的に学ぶ、ハワイ研修を実施しています。
今年度は、2022年9月5-12日の8日間で行い、学部2-4年から選抜された計10名の学生が参加しました。
渡航滞在費は大学負担で、パスポートや保険、ESTA、食事代の一部のみ自己負担です。
研修のテーマはこの5つ:
■海外の教育・保育現場を視察することで、日本の教育・保育との違いに触れ、教育・保育をより広い視野で捉える
■海外のSDGsの取り組みや意識について観察・学習することで、問題意識や気づきを獲得し、今日の社会に生きる一員としての意識を高める
■この先も求められる多文化共生を体験・理解し、グローバルな社会の中で子どもの良さを引き出す能力を身につける
■プログラムに含まれる各種研修に責任感をもって主体的に取り組み、社会人として成長する
■プログラムを通して学んだ教育・保育観、SDGsに関する知識・意識、文化や音楽・芸術を、その後の実習やワークショップの中に取り入れ実践し、在学中・卒業後にも持続的課題として取り組む
現地での調査だけでなく、SDGsなどについて学ぶ事前研修から始まり、自分の学びを基に絵本を制作して発表する事後研修まで、期間は約10ヶ月にわたります。
今回は、コロナ禍の影響で現地の幼稚園や小学校の見学ができなかったのが残念でしたが、その代わり、現地で暮らす皆さまに多くのことを教えていただき、本当に充実した研修となりました!
【事前研修】
事前研修は、
第1回「SDGsを知ろう」
第2回「ハワイの歴史・文化を知ろう」
第3回「危機管理セミナー(海外で暮らす際の注意)」
第4回「直前説明会」
というテーマで、2022年6月からほぼ毎月1回開かれました。
第1回の「SDGsを知ろう」では、SDGsカードゲーム・ファシリテーターの阿部さんの解説のもと、ゲーム楽しみながらSDGsについて学び、
■世界で今何が求められているのか
■それを実行するには、お金・時間の配分、プログラムの優先順序の検討、国同士(=ゲームではグループ同士)の協調、世界の情勢の見える化と検討が必要なこと
を知ることができました。
この学びを踏まえ、各自で特に興味のあるSDGsのゴールを選んでハワイに赴き、以下のことを自主調査します:
■日本とハワイで取り組み方が違うところはあるか
■日本にはないSDGsに関する工夫は何か
■資格逆に日本の方が優れている取り組みは何か
【ハワイ】
Day 1 9/5(月)
21:10(日本時間)の便で中部国際空港を出発。
定刻通り、9/5 10:20(現地時間;以下同)にホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港に到着。
早速市内見学へ。空港での手続きがスムーズで時間が空いたため、予定にはなかった州政府ビルやイオラニ宮殿も外観だけ見学できました。
観光名所だけでなく、信号の渡り方などの基本的なルールもガイドさんから教えていただけました。
レストラン「アロハ・テーブル」でハワイ名物ロコモコの昼食。
午後のABCプログラムでは、ハワイの地元大学生・大学院生たちが、学生をワイキキ案内に連れて行ってくれました。
3グループに分かれ、それぞれ、ワイキキ水族館、ホノルル動物園、壁画で有名なカカアコ地区へ。
現地学生の親切なおもてなしと案内に、学生たちは大喜び!
夜は友人同士で自由に夕食。自分でメニューを選び、英語で注文するだけでも新鮮な学びです。
ちなみにホテルはワイキキ・ビーチのすぐ裏!徒歩で泳ぎに行くことができます。
Day 2 9/6(火)
朝は各自でダイアモンド・ヘッド登山。頂上からの眺めが絶景です。
時間は各自バラバラでしたが、早朝に出発して山頂で虹に出会ったグループも!
11:30からバスでポリネシア文化センターへ。
ポリネシアのそれぞれの島の特色を紹介するエリアに分かれており、学生は友人同士のグループで自由に散策。
フラダンス講習や、各種ダンスショー、工芸品作りワークショップなどあり、それぞれに楽しみながら、ハワイをはじめとするポリネシア文化について学びました。
夕方はセンター内のビュッフェ会場で、ハワイ料理を楽しみました。ポキやロミロミ、タロイモ料理、グァバ風味のパンなど、みんな「食べたことない味」と言いながらも、たくさんトライ。
夜はナイトショー。
ポリネシアに伝わる民話を基に、それぞれの島の民族舞踏やファイアーダンスを織り込んだ壮大なストーリーで、とても印象深かったです。
Day 3 9/7(水)
早朝6:00に出発して、真珠湾(パール・ハーバー)見学。
第二次大戦の始まりとなる真珠湾攻撃で沈められたアリゾナ号の戦没者を慰霊するアリゾナ記念館、日本が降伏宣言に調印し第二次大戦終結の舞台となった戦艦ミズーリ号、この両方を見学しました。
水中に沈んだアリゾナ号の中には、未だ戦没者が一緒に沈んでいることもあり、大変に厳粛な雰囲気。
歴史・日米の関係・大戦の中でのそれぞれの立場などについて、多くを考えさせられました。
Day 4 9/8(木)
11:00にバスで出発し、パンチ・ボウルという死火山火口にある墓地と、その丘から見ることができる小学校・中学校・高校を、校外からですが見学できました。
見学しながら、現地で子どもを育てているJTBガイドの丸岡さんから、ハワイの学校事情や教育システムについて解説をいただきました。
進学のタイミングが日本と1年ずつずれており、Kindergartenから5年生までが小学校(その前はPre-Kと呼ばれ、義務教育ではない)、6年生から8年生までが中学校、9年生から12年生までが高校生とのこと。
また、日本と違って文科省にあたる機関の強制力は弱く、公立校であっても校長の権限で学校の特色やカリキュラムが変えられること。
そのため、希望すれば学区外の自分に合う学校に通うことも可能なことなど。
その後、ハワイ大学を短く見学し、キャンパスグッズの買い物。
気分はハワイ大学生!
午後はJTBホノルル支店で、ハワイ日本人補習校であるレインボー学園の教頭、山田賢司先生から、ハワイにおける日本人・日系人の教育について講演いただきました。
続いて、上述のハワイで子どもを育てているJTBガイドの丸岡慶太さん、泉本花代さんから、「ハワイで子どもを育てるということ」というテーマで座談会をいただき、学生からの質疑も交えて活発な交流ができました。
みんな、自分が経験してきた、あるいはこれから働こうとしている日本の学校と、海外の学校がどう違うのかに興味津々で、貧富の差による教育機会の違い、いじめの有無、障碍をもつ子どもへの対応などについて、熱心に質問が行われました。
Day 5 9/9(金)
ここでほっと一息、今日は1日自由研修です。
JTBのオプショナルツアーに参加して、オアフ島の北端ノース・ショアを訪れた学生もいれば、個人で観光や買い物、あるいは洗濯しながらホテルで休憩など(ホテルには専用のコインランドリーもありました!洗濯の仕方も英語で書いてありますよ…)。
こちらは観光先の一例、ホノルル美術館。収蔵品もさることながら、開放的な建築が素晴らしいです!
Day 6 9/10(土)
お昼にアラモアナ・ビーチで、初日のABCプログラムと同じ現地学生を招いてBBQ交流会。
みんな、初日に親切に街を案内してくれた学生に再会できて大喜びです!
BBQに先立ち、アラモアナ・ビーチからの絶好の眺めを背景に、みんな撮影に夢中。
続いて、海老やビーフのBBQを楽しみながら、現地学生と交流会を持ちました。
交流会のテーマはこの2つ:
1.子どもの頃に好きだった絵本やお話は何か(=海外の子ども観を養うため)
2.観光と環境保護の両立は可能か(=研修全体のテーマであるSDGsに絡め)
特に②は、英語で話し合うには少し難しいテーマでしたが、みんな身振り手振りも交えながら大奮闘しました!
地元学生が帰った後、名芸学生と教員のみで改めて交流会。
テーマは「ハワイ研修で学んだこと」。
2-4年生まで多学年が揃っているため、それぞれの気づきを発表することで、異なる視点を知ったり、自分の学びをより深めることに役立ちました。
学生リーダーの4年の髙木さんが、司会としてうまくみんなの意見を引き出してくれました!
もう明日が出立の日のため、夜は各自でパッキング。
楽しかった研修もあっという間です。
Day 7, 8 9/11-12(日・月)
ついにハワイともお別れの日です。
朝8:00に一足早くスーツケースをJTBの係の方に預け、各自朝食へ。
日本への入国審査・検疫に備えて各種ネット上の手続き(MySOSアプリによるファストトラック登録など)が必要なため、朝食後9:00にホテルロビーに再集合し、全員一緒に確認しながら作業を行いました。
コロナ禍のため、海外渡航がとても難しい時期がありましたが、事前手続きをきちんと済ませれば、ハワイから日本への帰国はとてもスムーズでした。
9/11の13:25にダニエル・K・イノウエ国際空港発、約8時間後、定刻より30分早い9/12の16:15(ここから日本時間)に成田着。
事前手続きのおかげで、入国審査や検疫で一切問題なく、スムーズに乗り換えて19:30頃に中部国際空港に到着。
大きな病気や怪我、トラブルもなく全員無事に帰ってこられて何よりでした。みんなお疲れさま!
【研修全体を通して】
今回、教育学部の研修でありながら、コロナの影響でほとんど現地学校の見学ができなかったことは残念でしたが、つい最近8月までほとんどの学校がオンライン授業だったとのことで、外部から人を入れられない事情は充分理解できます。
その代わり、9/8の「ハワイで子どもを育てること」という座談会では、実際にお子さんをハワイの小学校に通わせている現地の方の生の声が聞けて、日本と海外の教育の違いについて多くを学ことができ、大変に有意義な研修でした。
今後、現地学校の視察や、あるいは現地の教育学部生との交流などが入れられたら、より実り多い研修になるでしょう。
海外はとにかくことばが通じないため、普通に買い物をする、食事をする、乗り物に乗る、それだけでも常に周りを観察し、考え、自分から行動しなければ生活できず、「いるだけで勉強になる」という側面があります。
また、研修全体を通しての「日本と海外のSDGsの取り組み」というテーマについても、あらかじめ各自で課題を設定し、現地調査を行い、その成果を課題として提出します。
こうした主体的な学びは、学生の今後の成長に大きく資することでしょう。
帰国した学生たちは、絵本制作に取り組みました。