【教育学部】生活科の教科書を分析する
2024.06.03
子ども学科
小学校低学年科目である「生活」は、「具体的な活動や体験を通して」学ぶことに特色があります。そのため、授業で教科書が使用される機会は少ないとされています。しかし、近年の生活科教科書では「多様な学習活動」や「多様な表現活動」が重視されて編集されています。そのため、授業で教科書を使用するかどうかに関わらず、教員が事前に教科書を研究しておくことの重要性を理解してもらうために、生活科指導法の講義15回のうち3回を「教科書教材研究」に充てています。
4月にはその1回目として、「自然・季節・動植物」の単元を取り上げました。2~3人のグループに分かれ、8つの発行社(今年度からは7社)となった教科書発行社の教科書を分担し、①何が、②どのように取り上げられ、③どのような学習活動が紹介されているかを分析しました。そして、翌週には生活科指導法授業通信「SS通信」でその結果を共有しました。先日はその2回目として「地域・公共・触れ合い」の単元で同様の分析を行いました。
「自然・季節・動植物」では、7社の教科書において総計で70種類の植物、51種類の動物、83種類の学習活動例が取り上げられていました。多くの学校が未だに低学年理科のアサガオやヒマワリの栽培に終始している中、生活科では児童の関心に基づく多種多様な植物が題材となっていることが再確認できました。このようにして見ると、生活科の教科書は児童が図鑑として活用できるだけでなく、教員にとっても多様な学習活動の参考になることがわかります。