デザイン領域、mozoワンダーシティと連携、木を使って作るワークショップ「森のがっこう」を開催

 デザイン領域では、名古屋市西区のmozoワンダーシティと連携し、木材を使い作品を作るワークショップ「森のがっこう」を開催しました。このイベントは、学生が立案し実際に企業や美術館でワークショップを開催する、デザイン領域の演習「デザインワークショップ」の一環で、mozoワンダーシティでは2022年から実施されているもの。今年度、mozoワンダーシティでは6月に引き続き2度目、小学校が夏休みに入った2024年7月27日(土)、28日(日)の2日間開催されました。学生達が考えた4種類のワークショップを沢山の子どもたちが参加し作品作りをしました。

 今回のイベントでは、ガラス容器の中に木製チップを敷きどんぐりや木片でつくるキャラクターを飾る「小さな森のテラリウムづくり」、木箱に木片を自由に敷き詰めビーズなどを飾る「オリジナルモザイクアートをつくろう!」、かんなで木を薄く削ったかんなくずをメモ帳にし木の枝に芯を入れ色鉛筆をつくる「かんなでつくる木のメモ帳と枝色鉛筆づくり」、紐を引っ張ると体の一部が動く木製の人形をつくる「ウッドパペットづくり」の4種類のワークショップを楽しんでもらいました。4種類それぞれ20名ずつの提供となりますが、整理券を配布し始めると1時間ほどですべて完配となってしまうほどの人気となりました。遊びながらも熱心に制作に励む子どもたち、コミュニケーションしながら制作を手助けする学生、それを見守る保護者の方々、創作の魅力を楽しむ2日間となりました。

 ヴィジュアルデザインコース2年 伊藤萌衣さんは、6月のワークショップで行われた「森のパティシエ」という木にデコレーションしてつくるケーキを提案、今回は日本の森林の現状を伝えるパンフレットで使用する“ウッドスタンプ”をデザインしました。「6月は針葉樹のスタンプでしたが、7月は広葉樹を説明するスタンプです。6月の針葉樹を基に、さらに進化させようと考えました。広葉樹の断面を写真に撮って、その年輪の模様をレーザー彫刻機で焼いて出しました。メンバーが描いてくれた可愛いイラストがあるので、その絵もできるだけきれいに見えるようデータを仕上げました」。6月に行った木のケーキづくりも好評で、12月にはさらに大規模なケーキづくりのワークショップの企画も進行中とのこと。ヴィジュアルデザインコースは、Webサイトや印刷物のデザインが主な専門となりますが、「木材という素材に触れ実際に手を動かして創作することの魅力をあらためて感じました」と、自身も創作を楽しんでいる様子でした。
 メタル&ジュエリーデザインコース2年 松本沙莉さんは、今回のワークショップで提供された「ウッドパペットづくり」を提案。「mozoワンダーシティさんのmozoは、モゾモゾとなにかが動き出す音だと知り、動くおもちゃを作れば心惹かれて思い出にも残るものができるのではと考えました。顔の部分は子どもたちに描いてもらった絵をレーザー彫刻機でプリントしています。できあがって動いた瞬間、子どもたちが目をキラキラと輝かせてくれてよかったです」と声を弾ませます。「子どもたちというデザインの対象者が目の前にいて、その子どもたちのことを考えて作るというのが自分にとっては新しい体験です。特に、一緒に話ながら作り上げていくことも、自分が考えた企画を楽しんでもらえていることを実際に見ることができたことも、とても嬉しく思います。誰かのためにデザインするということを自分の中で確立していって、相手のことを考えたものを作れるように頑張って行きたいと思います」といいます。自分のコースとは異なる他の領域、素材に触れることや子どもたちとの交流は、自分の考えをより広くする貴重な経験になったようです。
 今回の「デザインワークショップ」は、西岡毅講師・谷川司助教が企画しました。担当した西岡講師は「今年度は、良いアイデアもたくさん出て、とても良いワークショップができたのではと思います。領域を超えて学生同士協力し合って、やっています。いろいろな事に興味のある学生が多く、僕の研究室に何度も足を運び、レーザーカッターなどの道具の新しい使い方のアイデアを考えたりしてくれました。楽しくやってもらえたのではと思います」と学生たちの取り組みを称賛。「大事にしていた銘木の素材があるんですが、ついワークショップに提供してしまいました(笑)」と目を細めました。
 提供者も参加者も、笑顔の絶えないワークショップとなりました。