イベント

ナゴヤ展は、名古屋芸術大学ヴィジュアルデザインコースが長年取り組んできた授業成果を発表する場です。

開始当初は、「名古屋」をアピールする広告やプロモーション企画の制作が学びの中心でした。しかし近年では、「地域活性化」や「地域おこし」といった社会的課題の高まりを受け、地域デザインに深く関わる形式へと内容を改めて実施しています。

授業の課題は、「名古屋の魅力を（再）発見し、発信する」というシンプルなテーマです。ただし、「名古屋の魅力」という言葉が示す範囲は広いため、「地域文化・地域資源に根差した魅力」に焦点を絞り、授業の目的をより明確にしました。また、「（再）発見」という表現を用いたのは、新しい魅力を見つけるだけでなく、既存の価値を自らの体験を通じて新たな視点で見直すことで、新しい発見が生まれることを意図しているからです。そのため、授業の初期段階では、学生たちが実際に街を訪れ、自分の目で見て感じるフィールドワークを取り入れました。授業の成果としては、企画としての完成度だけでなく、学生たちが何を魅力と感じ、どのような視点でそれを発見したのかを重視しました。学生ならではの純粋で自由な視点は、新たな価値を見出し、未来を照らす可能性を秘めています。本展覧会では、そうした視点が社会に問いかけ、新たな価値を生み出す力となることを願っています。

制作の過程では、円頓寺商店街の皆さまをはじめ、多くの方々にご協力をいただきました。この場を借りて、深く感謝申し上げます。学生たちは、まちの過去・現在・未来をデザインを通してどのように描くべきか、その役割について真剣に考えながら制作に取り組みました。彼らの思いが込められた作品を通じて、名古屋の新たな魅力を感じていただければ幸いです。

「ナゴヤ展」担当教員｜則武輝彦