自己と向き合いテーマを掘り下げるには、まず多様な選択肢を知ることが大切。そこで、1年次からあらゆる表現手法にふれられる仕組みが共通カリキュラム「ファンデーション」です。さまざまな素材・技術の専門知識を持った教員陣、種類豊富な創作メソッドに出会うことで、早い段階から作品の幅を広げます。
絵画以外へのアプローチも多数用意。映像、写真、インスタレーション、批評などを専門とした教員や、ラジオ番組制作、地域の店舗ディスプレイ制作など多岐にわたるプロジェクトを通し、多様な価値観にふれながら視野を広げます。
さまざまな技法や素材・道具に関する確かな専門知識を持った教員が作品制作を丁寧にサポート。漠然としたアイデアやイメージでも、実際にかたちにする際の制作工程や作業ツールについて具体的にアドバイスを受けられるため、創作の方向性が導かれます。また、その過程において素材そのものの魅力や特性も知ることができ、必要な知識や技術を深く体得することができます。
毎年、1年次から3年次にかけて、学内外のギャラリーやアトリエを会場とした「レヴュー展」を開催。そこで1年間の集大成を発表します。そのほかにも各コース主催の作品展や、卒業生を交えたグループ展なども多数開催。社会に向けて積極的に作品を発表し、多くの人の目にふれさせることで「伝える力」を養い、今後の作品制作に活かします。
美術領域の教員や、外部からゲストを招いて行われるトークイベント。第一線で活躍するアーティストを月1、2回のペースで招き、世界のアートシーンの動向や、これからのアートに求められること、制作現場から発表の場に関する様々なスキルやノウハウなどについて直接話を聞くことができる機会です。
在学中の4年間で100名のクリエイターに出会い、卒業時には自分が 101番目のクリエイターになることを目指す講座「OHOC(One Hundred & One Creators)」。さまざまな分野で活躍する多彩なクリエイターを招き、その考えや活動にふれることで、創作者・表現者としての生き方の幅を広げていきます。
松岡徹准教授
これまでアートクリエイターコースでやっていたさまざまな美術の基礎を体験するファンデーションを、美術領域全体へ拡大します。平面、立体、版画、陶芸、ガラス、現代アート、映像……と、ただ知るだけでなく、実際にふれて体験するカリキュラムです。実際にふれることで、何か発見もありますし、他コースの同級生との違いを感じることで自分の適性について認識することも期待しています。また、他のコースを知ることで、自分のやりたいことを広い選択肢から見つけ出し、転籍を含め適切な判断ができるようになればいいと思っています。それから、ファンデーションにはデジタルにふれる内容も入っています。現在、絵筆を使った絵画や彫刻に向かう学生は、デジタルを苦手にしている傾向があります。Webを使って発信することが一般的になってきた現在、日本画や洋画を志向する場合でも、自分がキャンバスに描くこととデジタル表現との対比や距離感は非常に重要です。そうしたことをつかんで欲しいと思います。また、アートクリエイターコースでは、先輩や社会で活躍するアーティストやさまざまな職業の人を迎え話を聞く「OHOC(オーホック)」を続けてきました。このカリキュラムは継続し、さらに洋画コースで行われている「HEIGEN(シリーズ平原)」と合わせ、多くの先達たちから刺激を受け、自分の将来をイメージして欲しいと考えています。