工芸分野領域横断 2年「工芸複合素材実習」講評会を実施 メタル+ガラス

 本学では、陶・ガラス、メタル&ジュエリー、テキスタイルの工芸分野領域を中心に、領域を横断して共同作業を行うことで、素材の魅力を捉え直すことや美術とデザインの両面から創作について考える工芸分野領域横断を進めてきました(2024年度から美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)とデザイン領域メタル&ジュエリーデザインコースを一体化し、新しい「工芸コース」としてスタートします)。
 工芸分野領域横断を始め今年度で3年目、1年生から3年生まですべての学年で連携授業が実施されるようになりました。1年生は、工芸の入門編として、二つの専門を別々に学んで合同講評会を行う「工芸制作」、2年生は、二つの専門を組み合わせた作品制作を行うことにより、その特性や活かし方を考える「工芸複合素材実習」、そして3年生は、工芸分野の素材と対話しながら思考する教育を役立てるために、地域産業の活性化を促すプロジェクトとして、社会的な課題に対して広い視野で解決を試みる「工芸・クラフトプロジェクト」に取り組んで来ました。

 2024年1月11日(木)に行われた2年生「工芸複合素材実習」では、ガラスとアルミを素材に鋳造で作品を制作しました。
 作品は、ガラスとメタルのそれぞれの特性を表現したものでも、2つの素材を組み合わせたものでもよく、自由な作品が揃いました。ガラスもメタルも表面を磨くことも荒らすこともできるため処理もそれぞれ異なり、素材の違いを感じさせるもの、接着剤を使い文字通り2つの素材を組み合わせたものなど、学生それぞれの個性が表現されました。素材への興味や技法への探究心を感じさせるもの、中にはすでに作家性を感じさせる作品もあります。
 プレゼンテーションは、学生が作品の背景を説明し学生同士でも感想を伝え合うような形で進められました。メタルを担当したメタル&ジュエリーデザインコース 瀬田哲司准教授から、メタルとガラスを組み合わせた作品は過去にも少なくもっと追求してみてもいいのでは、といった評価を受ける作品もあり、可能性を感じさせました。
 ガラスを担当した工芸コース 深川瑞恵非常勤講師からは「自分が持っているテーマだとかモチーフだとか、それぞれが形にできていて驚かされることが多かったです。皆さんの今後の制作で役に立てばと思います。ガラスを取り入れたり、楽しんでかかわって欲しいと思います」と講評しました。瀬田准教授からは「今回、初めての課題としてガラスとアルミの鋳造を使って作品作りを行いました。どんなものができるかと期待していましたが、期待以上に面白いものがたくさん出てきて自分としても満足しています」と評価の言葉がありました。
 異なった専門性が重なり合うことで新しい表現が生まれる、それを実感させる領域横断の授業となりました。