• 芸術学部 芸術学科 音楽領域 共通科目等担当

杉江 斉

すぎえ ひとし

講師/国際交流センター長

2000年
愛知県立明和高等学校音楽科を卒業後、渡米
2006年
デンバー大学ラモント音楽院音楽学士課程
トランペット・パフォーマンス専攻 卒業
2009年
名古屋芸術大学大学院音楽研究科器楽専攻 修了
2014年
行政書士登録 行政書士杉江斉法務事務所開業
2020年
名古屋芸術大学芸術学部芸術学科音楽領域 講師

名古屋芸術大学非常勤事務職員、音楽学部契約助手、国際交流センター業務委託職員

演奏できる行政書士!? あっと驚くキャリア二刀流
自分で考えて解決する力を

アメリカで勉強のやり方を教わった

行政書士の資格が目を引きますが、まずは留学のことから。高校を卒業し渡米したのですね

小学4年生でトランペットを始め、そのまま中学でも吹奏楽部に所属し、高校時代には音大に進みたいと思っていました。夏期講習を受講したり、レッスンを受けたり、いろいろやってみましたがよい行き先が見つからず、当時、高校へ学長の竹本先生が非常勤で来られていて、日本の先生と合わないのかもしれないね、ということでデンバー大学ラモント音楽院を紹介していただきました。夏に短期で行ってみましたが、先生たちの演奏技術の高さもさることながら、ものすごく親切というか、あったかいというか、ここに行くしかないと考えました。翌年の6月にデンバー大学附属の語学学校に入って英語を学び、次の春から入学しました。

日本の大学は合わなかった?

自分が、ちょっと意思が強すぎたというか、普通だったら黙ってしまうところも、つい口に出してしまう。納得できないことがあると反発してしまうところがあって、先生からすればいい生徒ではなかったのかもしれないですね。日本の場合、トランペットの教え方でもそうですが、型にはめようとするところがあります。こうあるべき、こうじゃないといけないというのが強いように思います。一方でアメリカの場合、お国柄や国民性もあるかと思いますが、すごく理論的で、例えばトランペットの実技でも、息を吐くときの口の中や舌の位置について具体的に説明しつつ、実演とアドバイスをしてくれるなど合理的な指導方法なんです。人によって身体のつくりも違いますし、やりやすい方法もそれぞれなので、その人の個性を尊重して最適なやり方を一緒に考えてくれるやり方です。それから、実技とは別のアカデミックな分野。音楽史などの学科系科目ではものすごくたくさんの課題が出され、効率的にやっていかないととても間に合いません。効率よく勉強する方法が自然と身につきました。勉強のやり方を教わったように思います。楽器に限らずすべての勉強が同じで、行政書士試験に合格できたのもデンバー大学の教育があったからこそだと思います。

どうして行政書士の資格を?

大学院に在籍している頃から、地元の音楽教室などで教え始め、フリーランスで演奏と指導の仕事をしていました。並行して大学の非常勤事務職員となり、音楽学部契約助手、国際交流センターの業務委託職員を務めました。国際交流センターでは、海外から来られる客員教授の在留資格関連のサポートもしていましたが、ある客員教授が大学と別のイベントで指導していたことがあり、入管からイベントの主催者に対し「資格外活動に当たるので別途申請が必要」と指導が入ったことがありました。入管法のことを知ると、教授だけでなく海外アーティストでもちゃんと許可を取っていない場合があるとわかり、そういうお手伝いができるといいなと考えるようになりました。それからもうひとつ、自分が演奏や指導の仕事をする場合、不利な条件で一方的な契約を結ばされることがあります。行政書士の知識があることで自分の身を守れるかなと考えました。それで、資格を取ろうと勉強しました。

自分が受けた教育が学生の役に立てば

学生に伝えたいことは?

いつか、自分がデンバー大学で受けたような教育を、学生にしてあげることができたらいいなと思っています。自分で考えて解決する力を習得させてくれました。どういう道に進んだとしてもいいんです。一般企業でもいいし、ぶっちゃけ趣味でもいいんです。あのとき教えてもらったことがここで役立ったなって思ってもらえたら嬉しいですね。