• 芸術学部 芸術学科 デザイン領域 イラストレーションコース

佐久間 友香

さくま ゆうか

講師

2014年
愛知県立芸術大学美術学部日本画専攻 卒業
平成25年度 愛知県立芸術大学卒業・修了制作展 優秀作品賞
第二回 三芸大学生選抜 H/ASCA展 優良賞
2015年
第6回 星野眞吾賞展 入選
ART AWARD NEXT 3 入選
2016年
愛知県立芸術大学院博士前期課程 日本画領域 修了

どんな表現に関心があるのか、自分を知ることが大切

イラストと日本画、両方やっていい

日本画家でありイラストレーター、絵描きになろうと意識し始めたのはいつ頃?

絵を描かれている方、みなさんに共通していると思いますが、小さい頃から絵を描くのが好きでした。小学校の頃、雪が降ったりすると授業を休みにして校庭で遊ぶ、というようなことがありましたが、そういうときも教室にあるストーブの前で絵を描いてるような子供でした。中学生の頃には、大学に行かせてもらえるなら絶対に美術の大学と決めてました。そこで、どうせ美大に行くなら高校から美術科へ行ってしまえばいいと思い、旭丘高校の美術科へ進学しました。日本画は、まず立体が壊滅的にできなくて、びっくりするぐらい下手で、油絵か日本画のどちらか悩みました。高校の3年で専門を決めるのですが、日本美術をいろいろ見て、軸とか天井画とか、この一連の歴史の中に自分も入れたらかっこよさそう、そんなことを思って日本画を選択しました。

順当に進んでいるように見えますが、今に行き着くまではどんな苦労がありましたか?

やはり東京藝大へ行きたくて、その頃には画家に絶対になりたいと思っていました。入ることができず2年浪人しましたが、結局、愛知県芸へ行きました。大学で感じたのは、じつは自由のなさ。決められた時間で、決められたモチーフを描かなければいけない。それに加え、日本画の世界が閉じられた世界で、その中でしか作品の発表もできなさそうだと閉塞感を感じていました。日本画家として、もちろん作品を発表はしたいですが、もう少し開かれた場所で幅広く絵を見てほしいと考えていました。3年生のあたりから月1回は東京のギャラリーを見に行くように心がけ、その中で山本タカトさんの作品を見て、考えが変わりました。もともと絵は知っていましたが、イラストレーターという肩書きで、美術の業界で絵画としても評価されているんだと。なるほど!と思いました。日本画家としてやっていくか、イラストレーターとしてやっていくか、どっちにしようとすごく悩んでいたんですけど、選ぶ必要はなさそうだと道が開けた思いでした。それまではイラストで描くような絵のスタイルと日本画のスタイルを分けていましたが、両方をやることで双方にいい作用があるなと思うようになりました。

簡単に消費されない絵を

学生に伝えたいことや今後やりたいことは?

学生には教えられることばかりですね。学ぶ姿勢も学校以外での活動に関しても、本当に勉強になります。私はずっと美術というか日本画でやってきたので、デザイン領域は全然違っていて勉強になることばかりです。ただ、学生たちの様子を見ていると、1枚のすごくいい絵を描くことよりは、わかりやすく、フォロワーが付いて、いいねをたくさんもらえる人になりたいという感じがあるんですよ。絵を描く目的が、いい絵を描きたいというより、バズりたいというのがすごくあるなと感じています。次々と新しいイラストレーターが出てきて、尋常ではないスピードで消費されていっています。そのスピードがどんどん加速していますが、そういうところは目指してほしくないです。自分にはどんな表現が向いていて、どんな表現に本当は関心があるのかということ、上手でなくてもいいから、そこを知るための授業をもっとたくさんやっていこうかなと思っています。