芸術教養領域

リベラルアーツコース 3年

鈴木美砂

クラウドファンディングで資金を募り名古屋シネマテークの跡地にオープンしたナゴヤキネマ・ノイ。その復活を手伝い、クラウドファンディングのチラシ、劇場のロゴなどのデザインを谷野大輔非常勤講師とともに手がける。現在は、インターンシップで働いていたシネマスコーレの手伝いを行う。映画とミニシアターへの深い愛情を持つ。

もっと、もっと、映画を知りたい

ミニシアターって、高校生が行くにはちょっと敷居が高いじゃない? 好きになったきっかけは?

高校2年生になるタイミングでコロナ禍になって、コロナ禍の前に出来上がっていて楽しみにしていた映画があったんですけど、なかなか公開されなくて。コロナ禍が明けたタイミングで公開になったんですけど、それがミニシアターだったんです。今泉力哉監督の「街の上で」という作品で、それを観て映画がすごく好きになって、そこから数珠つなぎというか、映画館に通ううちに名古屋シネマテークに辿り着きました。

そのシネマテークがなくなることになるんだよね?

すごく悲しかったですね。そのときは大学2年生で、自分が大学生の間、あと2、3年くらいは通えると思っていたのに。映画館に行くことを楽しみに生きていたので、ひとつでも映画館がなくなるというのが悲しかったですね。

それでナゴヤキネマ・ノイのクラファンを手伝うことになるんだ

酒井先生(酒井健宏准教授)がもともとシネマテークのスタッフとして働いていたことがあって、つないでくれました。デザインを教えていただいている谷野先生と一緒にやることになりました。ほんと、お手伝い程度で大したことはしていないですよ。
それから、名古屋駅のシネマスコーレにインターンで行って、インターン期間は終わったんですけど、そのままお手伝いで月に何回か働かせてもらっています。シネマスコーレも大好きです。

そもそもなんでリベラルアーツに入ったの?

高校生のときからやっぱり映画が好きだったので、映画制作の方向に進みたくて、もういろいろ調べました。調べているうちに、制作だけだと幅が狭いというか、もしかしたらそれ以外のことにも興味が出るかもしれないと思って、一本に絞ってしまうのはちょっと怖いなと。そこで、リベラルアーツは映画の先生もいるし、芸術大学だし、いろいろなことを多方面に学べると思ったので選びました。オープンキャンパスに来たときに映画の先生がいるというのを聞いていました。入学してからは、先生は映画に関してはもちろんですけど、ほかのことに関してもなんでも知ってるし、いろいろ映画の話ができて、話の合う人がいてすごくうれしいです。映画以外の授業でも、だいたいおもしろいですね。芸術に関することばかりなので、知識がすごく広がったって思います。画家だとか、有名な作家だとか、違うところで話が出たときに、うん、わかるみたいな、つながったみたいな、知識欲が満たされたような気持ちになります(笑)。

なるほど。入学してからいろいろ授業があるけど、映像関係はそれほどたくさんあるわけでもないでしょう?

そうですねえ、映画を撮りたかったし、制作したかったし、うん、なんか違うかなと思ったんですけど……。なんですかねえ、制作を考えるには観ることが重要だと思って、焦らなくていいから、とりあえず映画館へ行って映画を観て、これからのことは考えようと思って。映画のほかは、学芸員資格の授業を取って資格のために学んで。それから、個人的に月に1回学校内で映画上映会を開催していて、観たい人が自由に参加して、酒井先生に解説してもらって、観終わったあとに感想を言い合ったりすることをやっています。

上映会おもしろそう! 今後はどんなことをやりたい?

卒業までにはなにか作りたいですね。まず企画書を書くようなことから、ちょっとずつですけど。卒業後は、もっと映画制作を習ってみたいんで、どこか大学院か、映画学校みたいなところとか。まずは、卒業までになにか作るところから頑張ってみます。

谷野大輔 非常勤講師とともに、ナゴヤキネマ・ノイのロゴマーク、クラファン支援のためのチラシをデザイン。目標額を上回る資金が集まり、2024年3月、無事にオープンを果たす

月に一度、東キャンパス9号館リベラルアーツスタジオで、映画上映会を主催。酒井健宏准教授の解説も楽しい