デザイン領域
メディアコミュニケーションコース 4年
樋廻里彩
高校時代に制作したコマ撮りアニメ「月に一度の秘密のパン」が、自主制作アニメ・コンペティション「Highschool Animation Competition2020」で奥田誠治賞を受賞。また、絵本「ちいさなオムライス」が「第5回絵本出版賞」 優秀賞を受賞。2019年「DigiCon6 JAPAN」Youth審査員特別賞受賞(どこいった?カエルのこども)、「NAGOYA NEW クリエイター映像AWARD」短編部門にて2022年に準グランプリ(吸血鬼の夢)、2024年はグランプリ受賞(NO NAME, WInDOW)と、多くの実績をもつマルチクリエイター。卒業後は地元三重の広告制作会社で働くことに。
“遊ぶ”ように作品を作りたい
卒業制作もコマ撮りアニメを制作すると聞いたけど、もう作り始めている?
はい。でも、まだぜんぜんできてなくて、前期に考えていたアイデアがあったのですが、ちょっとナシかな?ってなって。作っていて、これじゃ楽しくないかなと思って、考え直したので。今は、まだゼロです。
MCD(メディアコミュニケーションデザインコース)はどんなことやっていたの?
もう、ずっとコマ取りばっかりやっていました。MCDを選んだのは、いろいろできるっていうのが1番いいかなと思ったからです。大学に入るタイミングで絵本を出すことが決まっていましたし、コマ撮りもやっていたので、なにかに絞るよりはいろいろやりたいなと考えていました。MCDでは、「こういうことをやりたいんだったら、もっとこういうやり方がいいよ」みたいなことがいっぱいありましたね。その分野の専門の先生に直接教えてもらえるのがいいです。いろいろなものを一個一個、いいかげんではなくちゃんと作る、そこがいいですね。
それでなんですけど、体験してみて、自分はデザインに向いてないと思いました(笑)。でも、そのことを自覚できたことが逆によかったかなと。版画とか、Tシャツ作りとか、体験したことは楽しくてよかったですよ。
いやいやいや、印刷のこととかいろいろなこと、これから仕事やっていく上ですごく大事よ。役に立つこといっぱいあるでしょ!
そうですね。考え方みたいなのはすごく変わったなって思います。展示するのに先生と相談するんですけど、自分で考えるのは、なんというか、自分が作りたいものしか考えていなかったなとわかりました。コミュニケーションデザインなんだから、もっとコミュニケーションを取れるやつじゃないと、とよくいわれます。観てくれる人に向けたものを作らなきゃという意識はけっこう大きくなったかなと思います。
高校時代から作家として自分の作りたいものをしっかりやってきて、コミュニケーションデザインでは、ものすごく違う考えと衝突したって感じなのかな?
人のための作品作りなんですけど、自由さがなくなったかなって感じもして、最近はそのあたりで迷っています。以前は、自分の作りたいように作って、テーマとかそんなに深くなくても、ただ作りたいから作るみたいな感じだったんですよ。それが、これじゃ浅いなとか、これじゃメッセージ性がないなとか、考えるようになっちゃって。それはそれで大事だと思うんですが、そういうふうに考えちゃうことで苦しくなっているところはあります。もうちょっと遊ぶような気持ちで作品を作りたいなと思っています。
それから、自分が映像を作っているからということもあるんですが、カメラワークだったり、映像の色味だったり、これをこうしたらこういう意味になるよみたいな映像技法について、もうちょっと知りたかったですね。
卒業制作はリセットしちゃったけど、どうするの?
アイデアはあって大筋は決めているんですが、まだ絵コンテを書き終わっていないんです。これからコマ撮りすることを考えると、10分以内の長さに収めたいんですけど、ああ、来週、中間のプレゼンなんですけど、間に合うかなあ…。
過去作品はYoutube「Hibari's animation」で配信中。自宅内のセットで1コマずつ撮影。街のセットは、2024年の「NAGOYA NEW クリエイター映像AWARD」に応募の『NO NAME, WInDOW』。制作に1年近くかかったそうだが、なんと短編部門にてグランプリを受賞!
「ぼちゃ&ちゅんちゅ」。キャラクターデザインもすべて自作
絵本作家デビュー作となった「さるシェフのオムライスやさん」