歌とダンスはもちろん、絵画、衣装、アクセサリーなどの制作にも非凡な能力を見せる。舞台衣装、ヘッドドレス、帽子、その他小物まで幅広いアイテムを手作りし、その作品はミュージカルやイベントに使われている。衣装のほかにも、イラスト制作を仕事として受ける。ミュージカルコースの舞台衣装も手がけ、ミュージックエンターテインメント・ディレクションコースと協力し、早着替えの衣装を制作する。
音楽領域
ミュージカルコース 4年
歌とダンスはもちろん、絵画、衣装、アクセサリーなどの制作にも非凡な能力を見せる。舞台衣装、ヘッドドレス、帽子、その他小物まで幅広いアイテムを手作りし、その作品はミュージカルやイベントに使われている。衣装のほかにも、イラスト制作を仕事として受ける。ミュージカルコースの舞台衣装も手がけ、ミュージックエンターテインメント・ディレクションコースと協力し、早着替えの衣装を制作する。
衣装の制作はなにがきっかけで始めたの?
アルバイト先がコンセプトカフェなんですけど、そこのイベントの衣装を作ったことがきっかけで、 衣装を作ってほしいっていう依頼が来るようになりました。コスプレの衣装とか、DMなどでもらった依頼に沿っていろいろなものを作っています。帽子とかアクセサリーとか。特に服作りを勉強したわけじゃないんですけど、趣味で作ったりしていました。市販のもので納得がいかなかったら、自分で作っちゃえって思って。
そうなんだ、すんなりできちゃうんだ
ものを作るのが好きで、なぜか立体認識とか展開図とか、すぐわかるんです。例えば、早着替えの衣装を考えるとき、ここをこうすると時間短縮できるよねっていうのを頭のなかでぱっと組み立てて、だったらこういう型紙が必要だというのが浮かんでくるんですよね。立体も好きなんですけど、イラストを頼まれることも多くて、仕事として受けています。どちらかというと、絵の仕事のほうが多いですね。
すごいね、なんでもできる。ミュージカルコースを選んだのは?
小学生のときに劇団四季の「美女と野獣」を観て、私も舞台に立ちたいって思って、それからです。ミュージカルがきっかけで、9歳か10歳のときだったか、母親にお願いしてクラシックバレエを始めました。バレエを始めるには遅いんですけど、ミュージカルをやるなら必要だと思って。歌はもっと小さい頃からずっと好きで、父が沖縄出身ということもあって民謡をやっていて、歌の道に進みたいと思ったこともあったんですが、やっぱりミュージカルがどうしても捨てきれない。自分の生活の中心にあったものなので。
生活の中心!?
ミュージカルをやっていたわけじゃないですけど、ミュージカルのためにバレエを始めよう、歌を習おう、演劇部に入ろうとか、ミュージカルが好きだからこれをやろうみたいな考え方で生きてきました(笑)。
進学を決めるときは、絵に行くか、音楽に行くか、服飾もちょっと考えたりしたんですけど、やっぱりミュージカル。特にミュージカルは身体を使うので、身体を作らなきゃいけないし、できるだけ早いうちから鍛えておこうなんて考えたりもしました。絵や服は習うというより独学でやってきたので、課題としてやったり、学ぶという形を取るより、そのまま趣味として楽しみたいという気持ちもありました。
ミュージカルを考えると、東京の学校という選択肢もあるじゃない? どうして名芸?
東京でなくて、沖縄県芸は考えました。でも、ダンスは琉球舞踊なんかの沖縄の伝統芸能が中心で、やりたいことからちょっと離れているなと。絵を勉強するんだったら沖縄でもいいんですけど、やっぱりミュージカルです。ちゃんとミュージカルコースがある大学は愛知県には少なくて、名芸がいいなと思っていました。
入ってみてどう?
こんなに上下関係が厳しいとは思っていませんでした。でも、すごく役立っていて、学校外の舞台に出させていただいたときも、一緒に出演する方から、礼儀正しいねとか、きっちりしてるねといわれ、ミュージカルコースはそうしたことも学べるんだなと思いました。
それから、憧れてきたミュージカルですが、そう簡単にできるもんじゃないという現実の厳しさもわかりました。バレエ、歌、芝居と別々にやってきたものを初めてひとつにするわけです。1年生のときにオーディションで本公演の主役を、すごくできる先輩とダブルキャストでいただいたんです。思うように身体が動かず、踊りながら歌うことがいかに難しいか思い知らされました。ぜんぜんできなくて、本当に毎日泣いていたんですけど、同期や先輩から学ぶことが多くて、 ミュージカルとか音楽のことだけじゃなく、演者としてのあり方とかをすごく見せてもらったように思います。コースに入ってそういう人たちに出会えて、いろいろなことを学べたように思いますね。